APR - MAY
京都のまちを歩いていたら、これって現代アートだな、と思う風景に良く出合う。何百年も風雪に耐え、時空を超えて、いま目前に。萌える五月の時は、いろいろな事を教えてくれる。土塀は土と泥に石灰、糊、藁、菜種油、水を加ええて作られる。朽ちてなお、味が出て、美が宿る。人生なんて、あっという間。喜びも悲しみも永遠に続くものは何も無い。人間も朽ちていく。なら、自由に、そして美しく。
FEB- MAR
SNSが誕生して京都の"秘密"のハードルがびっくりするほど下がった。小さな路地の表札も出ていない家屋の奥にあるバー。中庭が美しく、とびきりの人が集まってくる。紹介者が必要で、そこから楽しいことや時代を作るビジネスが生まれた。オーナーが「時代にうちは合いません。ええ思い出のまま閉めたい」と突然、店をたたんだ。大切にしたい風景、有名ではないけれどとびきり美味しい和菓子屋、京都を一望でき夕日が美しい場所…この人になら、と打ち明けてきた秘密が、あっという間に探し出され、拡散される。桂離宮のすぐそばにある、とびきり美味しい蕎麦屋もSNS掲載のための撮影で、おいしい蕎麦を提供できなくなった、と営業形態を変えた。ある昼下がり。高台寺ちかくの路地を歩きながら思った。日本は近いうちにイタリアのように観光収入で生きていく国になるかもしれない。SNSでの拡散を無粋で残念なものと思うのは時代遅れなのだ。流れゆく時代の中で、どうしたらこの情緒が保たれるのか。地元民のふんばりだけに委ねるのは限界があるな。
JAN - FEB
1月7日の朝に七草がゆを食しながら、いろいろと考えた。過去3年間で価値観やライフスタイルが劇的に変わった、と言われるが、日本を取り巻く環境が本当に変わるのはこれから。どう変わるのか、専門家による予想は数々あれど、確定はできない。わかっているのは、自分を信じて弱気にならず、悲観せずに生きていくということだ。頑固過ぎても取り残され、柔軟すぎると滑り落ちる。ますます生きていくのが難しい時代に猛スピードで突入中。しんどいけど、楽しいよぉー、きっと。さっ、いこうぜ!