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歳時記2023

 

FEB-MAR

SNSが誕生して京都の"秘密"のハードルがびっくりするほど下がった。小さな路地の表札も出ていない家屋の奥にあるバー。中庭が美しく、とびきりの人が集まってくる。紹介者が必要で、そこから楽しいことや時代を作るビジネスが生まれた。オーナーが「時代にうちは合いません。ええ思い出のまま閉めたい」と突然、店をたたんだ。大切にしたい風景、有名ではないけれどとびきり美味しい和菓子屋、京都を一望でき夕日が美しい場所…この人になら、と打ち明けてきた秘密が、あっという間に探し出され、拡散される。桂離宮のすぐそばにある、とびきり美味しい蕎麦屋もSNS掲載のための撮影で、おいしい蕎麦を提供できなくなった、と営業形態を変えた。ある昼下がり。高台寺ちかくの路地を歩きながら思った。日本は近いうちにイタリアのように観光収入で生きていく国になるかもしれない。SNSでの拡散を無粋で残念なものと思うのは時代遅れなのだ。流れゆく時代の中で、どうしたらこの情緒が保たれるのか。地元民のふんばりだけに委ねるのは限界があるな。

JUN- FEB

1月7日の朝に七草がゆを食しながら、いろいろと考えた。過去3年間で価値観やライフスタイルが劇的に変わった、と言われるが、日本を取り巻く環境が本当に変わるのはこれから。どう変わるのか、専門家による予想は数々あれど、確定はできない。わかっているのは、自分を信じて弱気にならず、悲観せずに生きていくということだ。頑固過ぎても取り残され、柔軟すぎると滑り落ちる。ますます生きていくのが難しい時代に猛スピードで突入中。しんどいけど、楽しいよぉー、きっと。さっ、いこうぜ!

朝日新聞社系列の㈱アサヒ・ファミリー・ニュース社(大阪市北区中之島)が運営する『朝日ファミリーデジタル』で、弊所代表の澤有紗がコラムを連載中関西エリアの “今” を豊富なコンテンツで発信している人気WEBサイトです。京都生まれの京都育ち、京都をこよなく愛する筆者が、京都の今をご紹介します。

From  QOL

日本文化や美しい日本の風景の維持継承と、健康で自分らしく生きることをテーマに春と秋に主催するイベントは、毎回、稀なる体験をしていただけるように計画しています。参加費の中から会場となる場所の維持費捻出、若い世代の応援、寄付などを行うということも目的のひとつです。

新型コロナウィルス感染症のため主催イベントの開催を、しばらく休止しております。開催時にはHPにて広報させていただきます。御理解の程、よろしくおねがいいたします。

 

feel!日本‐日本を感じよう- Vol.21 

 

 やっぱり着物が大好き!2020年の笑顔をビデオで残そう

 

●2020年12月5日(土)9:00〜16:30 

 場所 山科伯爵邸 源鳳院 参加費 15,000円/Per 

 

※終了いたしました

 

2020年は今までにない生活を強いられた年でした。心落ち着かぬ日々が続く中で、当たり前のように参加していた文化的な集いも激減しました。

「大好きな着物を着て晴れやかに笑いたい」という声から生まれた企画です。歴史的な建物と名庭を貸切り、1組約40分ずつ、入れ替え制のビデオ撮影会を行います。お気に入りの着物でいらしてください。1組3人まで。プロのビデオカメラマンが撮影し、音楽やテロップを入れて編集したものをDVDに収めて、送らせていただきます。とても良い思い出になるはずです。

撮影後は特別室で当日朝に京菓子司「末富」から届いた季節の和菓子とお抹茶を楽しんでいただきます。

申し込み時に、希望の撮影時間帯をお知らせください。達し次第締め切り。

大変だったけれど、前向きに生きた2020年を笑顔で締めくくりましょう。

 

<源鳳院>

 

山科伯爵邸の源鳳院は山科言綏(ときまさ)伯爵により1920年に建築され2020年の今年、ちょうど100年を迎えました。建築家・渡辺明によって生まれ変わった現代数寄屋建築と、七代目小川治兵衛の庭園が見事です。

 

山科家は藤原北家の流れで、平安時代末期〜鎌倉時代初期の公卿藤原実教(1150〜1227)を初代として始まりました。後白河法皇より山科新御所とその周辺を所領として賜り、以後代々伝承し、家名の由来となります。山科家の人々は宮中で大納言・中納言・参議等の要職についた他、南北朝期以降は内蔵頭・御厨子所別当を世襲し朝廷財政を運営します。公家の家職として、装束の調進と着装をする衣紋道山科流並びに雅楽の笙を伝えるなど、有識故実をもって歴代天皇の側近として仕えてきました。

●2020年6月8日(月)10:30〜15:00 

 

 feel!日本‐日本を感じよう- Vol.21 

 

   冷泉家の節句しつらえ特別見学と、節句料理を楽しむ

 

開催を予定しておりました上記主催イベントは新型コロナウィルス感染拡大を受け中止いたします。

 

すでにお申込みいただいた方には個別に御連絡させていただきます。

お問い合わせは☎075-414-1212もしくはinfo@qol-777.com まで  

                            2020年4月2日(木)

開催を予定しておりました「美山浴衣プロジェクト2020」は新型コロナウィルス感染症予防のため中止いたします。日本の伝統的な文化である浴衣や、原風景が残る山里での人々の暮らしを国内外の皆さんに知っていただく試みは地元の皆さんのご協力のもと、今年4年目を迎えるはずでしたが、とても残念です。

来年、再開できることをスタッフ一同、願っております。2020年3月31日(火)

※写真は昨年のチラシと実施模様。香港から参加してくださいました。

●2020年4月20日(月)13:00〜15:00 

 

    feel!自分‐QOL Terakoya Movement- Vol.17 

 

            京都、源氏物語、そして今を生きる

 

開催を予定しておりました上記主催イベントは新型コロナウィルス感染拡大を受け中止いたします。

 

すでにお申込みいただいた方には個別に御連絡させていただきます。

 

お問い合わせは☎075-414-1212もしくはinfo@qol-777.com まで 

  2020年2月15日(土)

●2020年3月21日(土)13:00〜15:00

 

    feel!自分‐QOL Terakoya Movement- Vol.16 

 

           薬膳の力で自分の体をパワーアップ

 

開催を予定しておりました上記主催イベントは新型コロナウィルス感染拡大を受け中止いたします。

すでにお申込みいただいた方には個別に御連絡させていただきます

お問い合わせは☎075-414-1212もしくはinfo@qol-777.com まで  

 2020年2月15日(土)

Feel! 自分 ‐ QOL Terakoya  Movement -  Vol.15

2019年11月1日(金)16:00〜18:00  

場所 Bijuu Gallery 参加費 18,000円/Per 定員20人(達し次第締め切り) 

※終了いたしました

自分の遺伝子を知り、それを健康と美容に結び付けるいうテーマで遺伝子のプロ、並木幸久さんにお話を伺います。通販で多くの種類の遺伝子検査キットが売られる時代ですが、購入する側は正しい選択も迫られています。遺伝子を知り、自分の体質に適した食材・食事をあらかじめ知っていれば 、自らの体にかかっている負荷を減らすことができます。自分の能力を高める食事法を探ります。

 

当日は朝日新聞などで紹介され、山口県下関市のふるさと納税の返礼品(寄付金額62,000円に対して)としても採用されている食事の体質遺伝子検査キット「EATDIET」(参考価格18,480円)を使っての遺伝子検査も実際に行います。

美山浴衣プロジェクト 2019

2019年6月29日(土)〜9月16日(月・祝)

※終了いたしました

今年で3回目を迎えます。地元の皆さんと一緒に、京都・美山の夏を盛り上げます。海外からのお客様も増えてきました。日本の原風景を浴衣で楽しんでください。

QOL Hand to Hand Bazaar 5th @祇園祭

第5回 大切だった物を次に渡すバザー @祇園祭

2019年7月13日(土)〜7月16日(火)13時〜20時

場所 I.D.E STYLE ACADEMY  

604-8132 京都市中京区高倉三条下がる丸屋町159-1 ボナール三条高倉ビル2205

※終了いたしました。多くのご来場、ありがとうございました。

恒例の「Q O L Hand to Hand Bazaar 5th」。新しいカタチのリサイクルバザー。手放しがたいけど、使わない物を思い切って次に使ってくれる人に譲って物を大切にする運動です。売り上げ金は提供者ご本人に。

収益金の一部は、前回に引き続き東日本大震災発生時に0歳だった赤ちゃんが20才になるまでサポートを続ける期限つきの基金「ハタチ基金」に寄付致します。

Feel!日本-日本を感じよう-Vol.20  2つのパワースポットを結ぶ 心安らかに、体健やかに

2019年6月12日(水)10:30〜13:30  

場所 世界遺産下鴨神社 参加費 15,000円/Per 定員30人(達し次第締め切り) 

※終了いたしました。

世界遺産「糺の森」を有する下鴨神社で少人数での通常非公開の玉座(実際に御参拝でご使用された、天皇皇后両陛下(現上皇皇太后陛下)のお着きになった御椅子ほか)、ほかを特別拝観後、葵祭ゆかりの十二単衣着付けと王朝の舞を楽しみます。

 

その後、香港からお招きする有名な中医医学博士の楊さちこさんに、長生きで有名な香港人が実践するちょっとした健康方法や自分の体と向き合うアイデアを、簡単に日々の健康に取り入れるコツを教えてもらいます。楊さんは雑誌やテレビで健康的に美しく生きていくために必要不可欠な「アジアの知恵」をコメントするなど、香港と日本を往復して活躍しておられます。「dancyu元氣食堂」(プレジデント社)など著書多数。 

 

その後、下鴨茶寮のお弁当を楽しみ、楊さんとの懇談を楽しみます。

→詳しくは

Feel! 自分 ‐ QOL Terakoya  Movement -  Vol.14

「70-80年代 そして今、時代をアートで考える」〜Jeffrey Itoh秘蔵プライベートコレクション公開と対談〜

2019年5月17日(金)14:30〜16:30  

場所 カフェ&シャンパーニュ「祇園ちから」参加費 10,000円/Per 定員40人(達し次第締め切り) 

※終了いたしました。

鑑賞・対談後、テレビCMほかで活躍中の古後 公隆さんによるチェロ演奏。ビートルズなど70-80年代の音楽を楽しみます。お茶とグランマーブルのデニッシュ食べ比べセット付き。

 

 

京都出身で長年ハリウッドでカメラマンとして活動してきたジェフリー・イトウさんが秘蔵のプライベートコレクションを公開してくれます。マイケル・ジャクソン、ジョン・レノンのサイン入り直筆イラスト画、日本の実業家が120余億円で作品を購入したことでも知られるヴァスキアのほかアンディ・ウォホール、キース・へリングらの作品など、日本未公開小品10余点と、イトウさんが撮影したスターの写真も

 

 

対談相手は㈱グランマーブルの代表取締役・山本正典さんです。マーブルデニッシュで有名な同社は、創業の地「京都」への還元として若い芸術家への支援のほか、写真展のサポートやギャラリーの運営などで知られています。お2人に時代とアートへの熱い思いを語っていただきます。→詳しくは 

24時間7日間いつも一緒にいたい   日本を感じるアレコレを集めたPOP UPショップ

2019年3月16日(土) 11:00〜18:00 京都祇園「万治カフェ」2階 ギャラリーで

※終了いたしました。沢山のご来場ありがとうございました。

御縁があり、スタッフがいろいろな場所で出合った、いいものを集めたPOP UPショップ「247select shop」を京都祇園の「万治カフェ」で開きます。

 

日本の伝統産業や自分を信じて活躍する芸術家・アーティストの作品を見ていただきたい、そういう思いで開く、1日限りのSHOPです。今回は着物など日本の技のアンティークも並べます。

 

会場となる「万治カフェ」は、日本の職人技と日本人の美意識が感じられる美しいカフェです。日本家屋の2階、畳の間のギャラリーで開催いたします。

 

国際会議「日中韓女性経済会議」京都で開催

※終了いたしました 弊所がサポートいたしました。

日本・中国・韓国の民間人による実行委員会形式で企画・運営され、「日中韓における女性視点で経済交流の活性化」をめざす唯一の国際会議です。

 

3ヶ国をあわせた名目GDP23%、世界人口の21%、世界貿易量は18%。地政学的にみてもさらなるビジネスチャンスが期待できる関係にあります。それぞれの叡智、情報、技術、文化の大きなクロスポイントとして京都があるのは言うまでもありません。なぜ、これほどまでに世界中の人々や企業から注目されるのか。その秘密をひも解くと共に新しいビジネスモデルの発信とグローバルな民間交流を京都から提案。 

詳しくは→

 

Feel!日本-日本を感じよう-Vol.19   名店「千花」再び。

2018年11月16日(金)・17日(土)・23日(金)各日11:30〜14:00  

  ※ 終了いたしました。

場所 板前割烹「千花」 京都・祇園 新門前通り 

定員各日8人 参加費 1人15,000円

三島由紀夫、白洲次郎・正子ほか国内外の食通を魅了し続け、ミシュラン三つ星を9年連続獲得した京都・祇園の割烹料理店「千花(ちはな)」。今年5月、主が留守の際に出火。古い木造家屋は全焼しました。「京都の宝」と言われた名店の焼失は全国放送のニュースでも知らされたほどです。  

再開は無理だろうという声も少なくありませんでしたが、亭主である永田雄義さん、女将の眞起子さんは突き落とされた深い崖の下に落ちた絶望的な日々の中、粛々と動き、四条通りから少し北、祇園・新門前通りで再開することにしました。失ったものの大きさを背負いながら、家族や周囲との絆を再確認しての決断です

その門出に御縁をいただき、祝いの能管と新生の料理を楽しみます。

 そこには、静かだけれどもほとばしる時間が流れることでしょう。 詳しくはこちら→

京都・パリ友情盟約締結60周年

Feel!日本-日本を感じよう-Vol.18  京都とパリ 魅せられ続ける文化

2018年9月22日(土)・23日(日)各日10:30〜14:30  

追加開催  2018年9月28日(金)10:30〜14:30 

※終了いたしました。

場所 井村美術館&AIC秋津洲京都  定員各日13人 参加費 1人17,000円

いつの時代も比べられてきた世界を代表する2つの文化都市、京都とパリ。文化芸術の発信地として互いに惹かれあい続けてきました。今年は京都・パリ友情盟約締結60周年の年。「井村美術館」ではオーナーの蒐集物の中から普段は表に出ないオールドバカラや柿右衛門、伊万里といったパリとジャポニズム関連の作品も特別に拝見。その後、会員制倶楽部「AIC秋津洲京都」で、実際に美術館の器やグラスを使って、パリから一時帰国中の日本料理人による特別献立を、パリでの日本料理の“今”を聞きながら楽しみます。

詳しくはこちら→

美山浴衣プロジェクト 2018

レンタル浴衣で美山を満喫しましょう。

出租和服享受美山吧.

Let’s put on a Rental yukata and enjoy Miyama.

 

※ 終了いたしました。

2018 721日(土) 9日(

Mon, July 21 - Sun, Sep 9

京都・南丹市 美山

大人 adult   3,000JP/1人・1per         

 子ども小孩child 2,000JP/1人・1per

 

京都・美山を浴衣で楽しみませんか?昨年に続き、日本の原風景とも言える自然と文化を体験するプロジェクトです。美山を訪れた観光客の皆様に、日本の夏の風物詩である浴衣を着て国の重要伝統的建造物群保存地区を楽しんでいただき、日本文化の素晴らしさを体験していただこうというものです。

詳しくはこちら→

 

 

 

什么不着浴衣走在京都美山?

去年之后,是一个体自然和文化的.
対日本的文化和, 承保持的正活QOL文化合研究所(京都市上京区 https://www.qol-777.com) .

是美山访问的游客穿戴作日本的夏天的土景物的和服,在国家的重要的传统性的建筑物群保存地区体日本文化的秀吧的西.

参加者,想要和美山关于美山作为简单的无调查.果和当地共有,在今后的策有用吧.谢谢.

详细→

 

  

Would you like to wear Yukata and enjoy Kyoto · Miyama?
This project which was very popular last year will be held again this year. Please enjoy the original landscape of Japan  and Japanese culture.

Click here for details→

 

 

再生医療センター そばじまクリニック院長・傍島聰先生に聞く 100歳まで生きる時代の再生医療最先端

併催 メディカルエステで首筋のシワ対策ほかの抗加齢美容体験

2018年6月2日(土)14:30〜約2時間30分

※ 終了いたしました。

京都市・北山のメディカルエステ・ソフィアほかで。参加費8,000円(お茶とお菓子、お土産つき)定員15人 (達し次第締め切り)

元気で100歳まで生きることが当たり前の時代が近づきつつあります。その大きな支えとなるのが再生医療だと言われています。加齢や病気などで傷んだ組織をIPS細胞などで修復するという夢のような時代が、すぐそこに。新しい医療の分野ゆえに不安や疑問もあります。「自分らしく、健康に」をテーマにした開催している「Feel!自分 QOL Tetakoya Movement」の12回目は、再生医療の第一人者を招いての講義です。超過密スケジュールの中から、絞り出すようにして時間を作ってかけつけてくださいます。こちら→

山下郁夫写真展「Portrait(ポートレート)」

2018年4月15日(日)、16日(月) 11:00〜18:00 

一知里邸ギャラリー(大阪府箕面市1-2-15、阪急箕面駅から徒歩5分)

入場無料 会場は私宅内にある登録文化財、重要景観建造物の洋館。入館前にアポイントメントが必要。 こちら→

※終了いたしました。沢山のご来場ありがとうございました。

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京都物語10

Kico’s Style vol 10

編集を担当させていただいているI.D.E. STYLE アカデミー(代表・長尾姫呼さん)の冊子「kico's style」最新版です。 →こち



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You&Me

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山の端

 

今年は多くを失った。取材した女優さんに「私、あそこの焼きそばがないとダメなの」と教えてもらった五条通に面したお好み焼き屋さんが閉店した。おばさんたちが、独特の手法で焼くキャベツいっぱいの焼きそばは、海外にも紹介されて、旅行者からも愛されたが、57年の歴史に幕を下ろした。日本を代表するアパレル会社が上場を廃止して倒産。パリコレでおなじみのデザイナーのコレクションを扱っていて、とても贔屓にしていたが、ある日、突然に購入できなくなった。中学時代から通っていた滋賀県大津の百貨店が閉店した。ポストには、日に2,3枚の割合で閉店や廃業の知らせが投げ込まれる。時世と言えば、それだけだけど、しかし、一気に思い出の場所や大好きなものが、手のヒラから流れおちる白砂のように無くなっていく。人の感情に「あきらめ」というのがあって良かった。でないと、惜別の沼から這い上がれない。しかし、失って一番、悲しかったのは何かと聞かれれば、それは自宅から見えていた山々の端だ。自宅の斜め前に広がる、100台ほどの駐車場の敷地半分にマンションが建設されている最中だ。あれほどの広さの駐車場を維持するのは大変だっただろう、と考えていたが、だんだん足場が作られていき、気が付いた。我が家の居間から庭を通して見る山々の端が見えなくなる。試験前日の徹夜明けに見た。海外旅行に行く前に浮き浮きしながら見た。友人からの電話を受けて心配しながら見た。父親とけんかして、申し訳なくて反省しながら見た。何千回と見た。特に美しいのは、山の端が夕暮れに染まってから薄暮に向かう時。励まされ、癒され、あたりまえにあると思っていた時間。その風景がさえぎられて失われた。そして、また、あきらめるんだろう。生きるって、こういうことなんだ。

 

 

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悲しみ

 

大切な人が、ある日、逝った。元気だったのに、突然に。明日はあると思っていたのに。耐えられないのではないかと思うような悲しみが押し寄せる。その人が生活をしていた空間に身を置くと、二の足の裏から体の軸を伝って心臓を射るような思いが襲う。数々の物が遺されたが、中でも洋服と靴下は抱きしめたくなるような愛しさだ。この服を着て、笑いながら紅茶を飲んでいた。歩き方に癖があったから、靴下のいつも同じところがすぐに薄くなった。洗濯が下手だと怒られた。共に異国を巡る旅を満喫した。もう二度とその体に触れることができない。遺された服たちを手にとると、それを着た姿が次々に浮かび、涙があふれた。いつかは訪れると恐れていた別れ。永遠に続くものは何もない。時の流れと共に悲しみは薄れると言う。たとえ、薄れても消えはしない。ありがとう。そして、さようなら。また、会える、その時まで、さようなら。でも、本当は、一度でいいから、すぐに会いたい。

 

 

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喝!

 

年が明けて、今年はさらに良い年にしたいと思っていた。あっと言う間に疫病が世界中に広がり、戸惑いと共に生きることを強いられた。いろいろな変更や断念を余儀なくされた。日本は天災を乗り越えて頑張ってきたんだから大丈夫だと思う反面、情報は錯そうし、終わりは見えそうにないことに不安が募る。しかし、この戸惑いや不安によって、心の真ん中にある軸のようなものを見直すことになったと思うようにしている。あたり前のことがあたり前でなかった。これほどリスクへの価値観の違いが表面化することは無かった。政府や会社の方針・対応への賛同や怒りに始まり、個人の日々の生活のひとつひとつに、自分の考えや生き方とは違う、と感じることが大きなストレスとなり、SNSなどで攻撃せずにはいられないのだろう。知人が通う英会話教室は収まるまで休校にするかどうか、2月半ばに話し合いが持たれた。意見が分かれ、その延長で意見の違う人に「この際、言いますが…」と、普段我慢できない相手への不満の言い合いが勃発した。結局、公民館そのものが閉めたことにより、気まずいまま休講となったらしい。高価転売、風評被害…こういうことが、あちこちで発生していて、疫病の蔓延そのものに、さらに見えないプレッシャーがのしかかっている。結局は自分を保護できるのは自分でしか無く、生き方を律し、品格を持って生きていくしかない。がんばろう、日本。喝!自分。

 

 

 

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ドレスコード

 

仕事で台北に行き、数年前にできたばかりの超高級ホテルに宿泊した。出張の予算からはオーバーするが、買い物をしたり、美術館をゆっくり巡ったりする時間は望めないので、せめてホテルでの滞在を楽しみたい、と思ったからだ。クラブフロア階の宿泊者は専用のラウンジで自由にシャンパンやちょっとした食事を楽しめる。予約時にドレスコードはカジュアルエレガンスと伝えられた。が、部屋に備え付けてある簡易スリッパで来たり、下着同然のようないでたちで酒を飲み大声で話しているグループが数組あった。ホテルの中のミシュラン一ツ星のレストランでも指定されたドレスコードは完全に崩壊していた。そこで、はたと考えることとなった。半パンやビーチサンダルなどは禁止、男性はジャケット着用という緩やかな規則を誰のために、何を目的に守るのか。本人たちは意味と意義を知らないだけ?それなら、いつかは解るだろう。しかし、「そんなの勝手でしょ」と言い切るかもしれないその場面でしかるべきとされる服装を周囲への配慮から強要されること自体が理解できない人が大半を占めだしたら?20代のころから服装だけではなく、あらゆることに“ドレスコード”を意識して生きてきたが、何でもアリの最近は、もはや人生のドレスコードを守ることは自己満足にすぎない、と思うほどだ。

 

 

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惜別の忘れ物

 

携帯電話をタクシーの中に忘れた。しばらく車中で打ち合わせをし、握ったままウトウトして、終電を逃しそうになって慌てて降りてしまったのだ。気が付いたのは自室に戻った真夜中。困惑と後悔。落ち着け。まず、データーはバックアップしてあるし、ロックがかかっている。本体は、また買えばいいじゃないか。出てこなくても、しかたない…。次の瞬間に気が付いた。大切にしたいものが入っていたのだ。短い留守番電話。声の主は入社してすぐに御縁をいただき、本当にお世話になったある企業の元社長。「ああ、○○や。君に紹介したい人物がおるから、都合のいい時に電話しなさい」と入っていた。今年初めに急逝され、時を同じく奥さんも入院されたために訃報が遅れて届いた。90歳を越え、すでに引退され、年に数度、食事をする程度だった。昨年末、忘年の宴席で「君は欲が無い。欲が無い奴は信用できん」などと叱責され、なぜか、その声が心地よく、再び、会えなくなるとは思わずに「はい、はい。では、また来年もよろしくおねがいしますね。欲を出す1年にしますので」と陽気に別れたが、それが最後になってしまった。しばらく携帯電話が不通だったので予感があったせいか、訃報を聞いた時に不思議と涙が出なかった。実感が湧かなかったのか、ふわふわとした気持ちで時が過ぎた。その方と一緒に写った写真を探してもみつからず、消し忘れた短い留守番電話のみが思い出となった。警察署に届いた携帯電話を受け取り、鴨川沿いの土手に座って、恐る恐る留守番電話を再生してみた。その声が無事、聞こえてきて切れた瞬間に、涙が止まらなくなった。

 

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ひとりは寂しいものなのさ

 

その時に思ったことをつぶやくtwitter。カルチャーや時代を常に意識せざるをえない仕事ゆえ、ときどき、見ず知らずの、しかしながら、その世界では名の知れた、つまり身元が判明している20代のつぶやきをマーケティングを兼ねて読む。もう、お気づきの方も多いと思うが若者は一人でいるのが嫌いな様子。「いま、部屋にひとり。なんか、死ぬほど寂しい」「僕は暇です。だれか一緒にメシを食ってください」「大学を卒業して孤独を知った。これから、だれか会いませんか?渋谷で」などなど。若者よ。人との交わりは貴重な財産だけど、泥に沈むナマズみたいに布団の中でじっと焦燥と孤独に一人で耐えるも欠かせない大切な時間。年を重ねるごとに孤独に慣れるが、いくつになっても変わらずに、こたえるはず。孤独は大波のように、どんどん気持ちを侵食するが、沈んだところから上を見て、生まれる希望や歓びに確かな手ごたえがあれば、生きる力になるよ。生きるという事は、そんなに簡単ではなく、だれでも自己嫌悪に陥り、壁に皿をブチ投げて叫びたくなる。だけど人は誰でも最終的には、ひとりであり、ひとりは寂しいものなんです。あなただけでは、ない。仕方がないことだから、凄く寂しい時は好きな音楽を少し聞いて、携帯の電源を切って、寝よう。

 

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その後

 

取材相手に「これから、高校野球の甲子園大会で活躍した野球部のOB飲み会があるので、行きませんか?」と誘われた。どうやら20年ほど前に高校野球で甲子園を沸かせたメンバーが集まるらしい。せっかくのお誘いなので、ついて行く事にした。30人ほどの気楽な集まりは、自ずと高校時代の試合の話になり、そこにいた一人がエラーをして、逆転され優勝を逃したという話になった。「いやはや、申し訳ない」と頭をかいて笑っていたが、なおも周囲は冗談で「あの時に優勝してたら、ここにいるみんなの人生もかわっていたかもしれないのだ」「あれは、伝説のエラー」と、その話題で盛り上がった。お開きのあと、2次会はご遠慮して、駅に向かったが、いつもの癖で、表通りではなく、細い路地を通った。何気なくカウンターだけの小さな居酒屋の中を見ると、先ほどのエラーをしたという人の横顔があった。このまま、通り過ぎよう、と思ったとたん目が合い、店に入ることにした。「僕の人生は、17歳の、あのエラーから変わったんです。久しぶりのOB会でしたが、まだまだ、俺は忘れてもらってないな、と思いました」と、熱燗を飲みながら言った。この20年間、言い続けられてきたそうだ。「あの時、ボールを落とさなかったら」と。当初は、学校でも同級生に責められ、教師も冷やかだった。家族の元にも嫌がらせの電話が続いたり、見知らぬ人から露骨に罵声を浴びせられた。社会人になっても「あの時、ボール落とした人でしょ。ここっていう時に、ついてなさそう」と笑いながら言われたりする。さわやかなスポーツ精神を謳うアマチュアスポーツだが、非難中傷は容赦ない。頂点に昇った選手の栄光や美談の陰で、たった1球のボールを落としただけで、その後の人生を変えられた人がいる。トップをめざすレベルの団体競技というものは、そう言う意味で、リスクも少なからず背負うことになることを、思い知った。

 

 

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それはない

 

最近、相次いで宴席に招かれた。襲名披露、祝賀会、囲む会…。いずれも200人前後という規模。主役の功績や門出を祝う会のはずだが、開会の挨拶のあと、乾杯が終わると、かなりの人が席を立ち、名刺交換を始めた。果たして、いつからこのような行為が当たり前になってきたのだろうか。こちらは慣れっこで「いつ見ても無粋な光景だな」などと思いながらも、席まで挨拶に来てくださる方々と、やはり名刺交換をしながら歓談。隣席のご婦人は「な、なんで皆さん、立ってるの???」と驚くことしきり。祝われる本人は着席したままで、舞台上では主賓の挨拶も始まっている。なのにかまわず名刺交換を続けるなんて。これが世の流れと言えども、何度みても心がザワザワする光景だ。司会者が芸能人ほかの出席者への配慮から、写真撮影の制限と、SNSへの写真の露出は不可と何度も何度も伝えていた。「舞台上の撮影はご遠慮ください。撮影はオフィシャルのカメラマンだけとさせていただきます。肖像権の関係でSNSへのUPもご遠慮いただけますでしょうか」と、やかましいほどに呼びかけられてたにもかかわらず、次の日にはUPの嵐。それはないでしょ。

 

 

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タイミング

 

知人から聞いた話。彼女の叔母は4年半前に余命3か月と医者に宣告された。名医として有名で、信頼している先生だったので、受け入れることができた。同じ病院の違う医師によるセカンドオピニオンも、ほぼ変わらなかった。すでに夫を見送った60代。長年勤め、定年後も請われて働いていた職場を辞した。職場の仲間、親戚、友人に別れの手紙を書き、形見分けをし、子供がいないので家を処分して、財産の生前贈与や寄付も済ませた。後は、静かに最期を待つばかり、と思っていたが、今も生きている。寝たきりではなく、賃貸マンションから通院しながら、趣味の俳句も続けている。色々な要因はあるにしろ、自分は当分はこのまま生きていけそうな気がするのだと叔母さんは話しているらしい。しかしながら、困ったことに働くことをやめ、家と財産を処分した身であるから、経済的な問題が生じてきた。大好きな庭いじりも近所の人達との交流も無くなった。「もう少し様子をみたら良かったかもしれないが、急にいろいろなことができなくなるかもしれないと思って」と言っているそうだ。姪である知人は忸怩たる思いでいる。小さい頃から可愛がってもらった叔母にこんな思いをさせるなんて。あの時、もっともっと考えれば良かった、と。行動を起こすタイミングは、とても難しい。

 

 

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無いっ!

 

汗ばむ陽気のある日。突然、気が付いた。ウォーキングクローゼットの中の服が6着も無い。初夏から初秋に大活躍してくれる、外出着とパーティーウェアが、根こそぎ。どこかに仕舞ったこと自体を忘れたのか、それとも…。自分にしては高価かつ気にいっていたアイテムばかりが、消えている。念のため馴染みのクリーニング店にたずねると「コンピューターで調べましたが、すべて引き取っていただいています」との返事。そう言えば、パールのネックレスも見当たらない。いつか、どこかから出てくると思っていたが、これってまさか…。夕食時に両親に伝えると、まず父が「それは空き巣に取られたにちがいない。実は本に挟んでいたへそくりの10万円が無いと思ていたところだ」と言った。「それって、いつの話?」「いやー、1か月前までは確かにあった。いや、あったと思う。そうかあ、ボケたと思ってたが、泥棒かあ。お前の服はいつまであった?」「うーん、それが夏服なんで、気に留めなかった。でも去年の10月にはあったような…。(父、訝しげ)…いや、ありました」というような会話を続けていると、母が「うちはセキュリティもしっかりしているし、そもそも、金目のものではなく、洋服を盗むなんておかしいわ。お父さんのへそくりも、はさんであるページまで特定できない。それよりも、バッグを変えた時に応接間のテーブルの上にポンと置いた商品券が見当たらなかったの。包装紙と一緒に捨てたと思っていたんだけど、泥棒かしら」と言った。それからというもの、普段から、探し物ばかりしている両親は、何か見つからない物があると「やっぱり、ドロボーにちがない」と言いあっている。それにしても、かずかずの品は、いずこへ?

 

 

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誇り

 

知人から「YouTubeに2017年のクリスマスにNintendo Switchをゲットして歓喜する子供たちシリーズがある。中でもPart7は出色。日本人として誇りだね」と聞き、さっそく見てみた。海外の子どもたちが、ベリベリとプレゼントの包装を破り、中から出てきたものを見るなり「Oh! Nintendo Switch」と叫び、泣きだしたり、のたうちまわったりして喜ぶ姿が集められていて、あまりの喜びように見ている側も幸せな気分になる。そう言えば、と感銘を受けた言葉を書き留めている手帖を取り出した。もう数十冊になるのだけれど、いつ読んでも、どの言葉も古びずに新たな力を与えてくれる。確か、この辺にと探し出して読み返すと自分の功績が自らの人生に何を与えたかと考えた時、銀行口座にいくら金が貯まったかなどとは意味のないことだ。あなたの愛することをやり、あなたのすることを愛しなさい。なぜなら、それが人々があなたについて記憶する姿だからだ。それをSatoruIwata から学んだ」とあった。ゲーム界のレジェンド、任天堂の前社長・岩田聡さんが亡くなった際に寄せられた、南アフリカのある有名なコラムニストの追悼の言葉だ。同じ京都にいるということもあり、岩田さんとは面識があったが「僕の名刺の肩書きは社長ですが、頭はゲームの開発者、そして本質はゲーマーですよ」と言っていた。42歳でいきなりの社長抜擢で畑違いの開発から経営へ。その道は決して平坦では無かったが、強い思いで進んだ。ゲームは賭博ではなく、子供たちに夢を与えるもの。その思いを遺された人たちが引き継ぎ、世界的に大ヒットとなった持ち運べる家庭用テレビゲーム機「Nintendo Switch」を生んだ。世界中の子どもをこれほどまでに喜ばせているのは日本の会社だという日本人として誇りを感じ、人生をゲームに捧げ、55歳で逝ってしまった岩田さんの笑顔を思い出した。

 

 

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しまつ

 

先日、50代の男性4人と、とんかつ屋で食事をした。いずれも経営者で、お金をかなり自由に使える人ばかりだ。食べながら、そのうちの一人が「俺、この間もこの店に来たわ」と、その時の話を始めた。河原町通りに面した交差点角にある店の駐車場は一般でも使えるコインパーキングになっている。彼は、ある日の昼食に1,200円のとんかつ定食を食べて店を出た。

30分後に、急にその店のすぐ先のビルに入っている経理事務所に行かねばならなくなり、車で駆けつけた。駐車場が見当たらず、同じ店の駐車場に入れたそうだ。「それで、戻ってきたら、駐車料金が1,500円になってた。うーん、と考えて、店を利用したらタダになるから、もう1回、同じとんかつ定食を食べたわ。さすがに食えへんかったわ。わはは」と笑った。それを聞いた残りの3人が「コーヒーだけにしたらよかったのに」「食べ残したとんかつ、もったいないな。お持ち帰りしたら良かったのに」「ほんまに、いい事思いついたな」という言葉を、ほぼ同時に真顔で発した。その翌日。ある寺の御奉仕で庭の掃除を手伝った。落ち葉を満杯にビニール袋に入れて、口を結んで捨てようとすると、そこの御亭主に「まだ、捨ててはいけない。口を結んで置いておくと、中の落ち葉がだんだん朽ちて空間ができる。そこにまた、新しい落ち葉を入れる。それを繰り返して、もう入らないというところまで入れてから捨てるのです」と言われた。ああ、これが「男のしまつ」なのだな。どちらの時も、愛しさに微笑んでしまった。