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歳時記2017

 

APR-MAY 2017

京都の有名な寺や庭園は観光客で溢れかえっていると思われがちだが、他人の姿をほとんど見ない、という時もある。信じがたいが、ぽっかりと時間の穴が開いたように人波が引く。たった一人になれる奇跡は、そこに自分が居る意味を問うことになる。北区鷹峯の光悦寺はそういう機会を得る確率が高いように思う。本阿弥光悦が徳川家康から賜り、終の棲家として愛した寺で、6つの茶室が点在する美しい庭を有する。紅葉の名所として名高いが、むしろ新緑に惹かれる。庭の入口の石垣の向こうに広がる緑の集結は一幅の日本画を見るようで心が震える。時空を独占するという贅沢を味わう、幸せな時間。

From  QOL

日本文化や美しい日本の風景の維持継承と、健康で自分らしく生きることをテーマに春と秋に主催するイベントは、毎回、稀なる体験をしていただけるように計画しています。参加費の中から会場となる場所の維持費捻出、若い世代の応援、寄付などを行うということも目的のひとつです。

Feel ! 日本  - 日本を感じよう - vol.16「河井寛次郎の器で茶話を楽しむ」

2017/6/3(土)4(日)

*両日ともすべての回、定員に達しました。キャンセル待ちです。

両日とも

①11:00〜12:30 

②14:00〜15:30  

③16:30~18:00

京都市東山区祇園町南側 ギャラリー「空・鍵屋」 

各回 定員10人 参加費8,500円

日本の民藝運動を起こした河井寬次郎さんのお孫さんで、河井次郎記念館の学芸員でもある鷺珠江(さぎ・たまえ)さんによる茶話会です。

個人的に鷺さんに託された抹茶茶椀、菓子器、皿などが実際に使われます。名器を自らの手に乗せ、口をつけ、愛でることができるという夢のような機会です。茶道の心得が皆無でもOK。椅子席です。普段着で気軽にいらしてください。

→こちら

 

 

Feel ! 日本  - 日本を感じよう - Vol.15「日本の原風景とロハスな暮らし京都・美山の人たちに会いに行く」

終了いたしました

2017/4/15(土)10:00〜16:30 京都府南丹市美山町 

定員10人 参加費10,000円

 京都府のほぼ中央に位置する南丹市美山町には駅も大きな道路もありません。鮎で有名な美山川のごとく、清らかでゆったりとした時間が流れています。溢れる自然に囲まれた隠れ里的な場所ですが、こだわりを持って生きる若い世代が少しずつ増えてきました。いま、アジアを中心に海外からも注目を集める美山。地元の方々の協力を得て、のびやかな暮らしやこだわりを体験する時間です。→こちら

QOL Recommend  

 

KYOTOGRAPHIE

京都国際写真祭 2017

 

2017515日(日)まで

 

今年で5回目を迎えた京都を舞台にしたフォトフェスティバル。テーマは「LOVE」。非公開の寺院などで国内外で活躍中の写真家の作品が展示される。→ GO

 

 

Susan Barnett Not In Your Face スーザン・バーネット「Love Is Everything」2014年 © Susan Barnett

 

想ひ 咲き 添ふ

中野 大輔 日本画作品展

 

20175月30日(火)まで

大丸京都店 6階 美術画廊で

 

いま、もっとも注目されている日本画家のひとりとされる中野大輔さんの作品展。花鳥、動物・昆虫など自然の中の命を独特のタッチで謳う。→ GO

 © 中野大輔  Daisuke Nakano 


京都物語8

神々しい富士山のような人とのたった一度の出会い。そこでいただいた言葉が、その後の人生の指針となった →こちら

Kico’s Style vol8

編集を担当させていただいているI.D.E. STYLE アカデミー(代表・長尾姫呼さん)の冊子「kico's style」最新版です。 →こち




講談社エディトリアルから「京都〜もっと美しくきものを着るための本」発刊

 QOL文化総合研究所は日本文化、アートや工芸、アンチエイジング、地域再生、インバウンドなどをテーマにコンテンツ製作やイベント主催、コーディネートを行っています。出版のお手伝いもそのひとつ。きちんとした本をプロと協働して生み出しています。

『京都〜もっと美しくきものを着るための本』(長尾姫呼著、講談社エディトリアル、1,900円+税)。着物は多くの職人さんの手により、気の遠くなるような工程を経て生まれます。その文化を絶やさず、新しい世界を!という著者の思いを形にするお手伝いをさせていただきました。書店、Amazonほかでお買い求めいただけます。→こちら

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You&Me

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長靴をはいたネコ

 

 

 先日、車を運転しながらラジオを聞いていると、グリム童話のペロー作「長靴をはいたネコ」の朗読が流れてきた。内容は少しずつかわるが、だいたいはこんな話だ。粉屋の三男坊が父親から受け継い財産の、一番残りをもらうことになり、それがネコだった。このネコはずる賢く、必ずご主人さまを金持ちにするから長靴を買ってくれ、と言う。そんな夢みたいなことはないだろうが、まあ、信じてみようかと思い、ネコに長靴を買い与える。その長靴をはいたネコは策略に策略を重ね、時には脅しも使い、国王様に上手く取り入り、三男坊を侯爵と嘘をつく。侯爵には土地とお城が必要で、お城の持ち主である鬼に「何でも化けられるんですってね」とまずは大きなライオンに化けさせてから、「まさか、小さなネズミは無理でしょう」と自尊心をくすぐって、化けたネズミを食べて城を手に入れる。三男は王様の娘、お姫様と結婚してめでたしめでたし。この話について語ると、その人の価値観がわかる。貧乏くじを引いても望みを捨てなければ未来がある、ずるがしこく生きたほうが得、自分に能力がなければ有能なナンバー2を探せ、王様やお姫様をだましてまで幸運を入手したいのか、こういう部下には自分もいつかは騙されると恐ろしくないのか…など。何が正解で、何を尊ぶか。それは、各人の心の中にある。グリム童話が恐ろしい教訓話で、子供のためではなく、大人のためにある、とされる理由はここにある。数人でこの童話を話題にしたら、すぐに、その人の価値観がわかるので、リトマス童話と言われている。本当に恐ろしく、そして便利だ。

 

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 桜ほど清廉とした花は無い。それぞれの思いを寄せて咲き、散って春を呼ぶ。母親を看取った友人が、その納骨式の話をしてくれた。 彼女の父親は医師だった。首筋に脂肪の塊ができ、見栄えが悪いという理由で盲腸よりも簡単と言われた手術を受けたが、麻酔から覚めることは無かった。おばちゃんは(彼女の母親の事を、こう呼んでいた)「あの時、娘が大学生でなかったら、病院の屋上から医療ミスの告発ビラを撒いて、私も飛び降りた」と幾度となく言っていた。お墓を開けて、彼女は、ふと父親の骨壺も開けたくなった。83歳まで生きた母親の骨はもろく崩れ、小さく砕けていたが、40代半ばで亡くなった父親の骨は太く、キレイだった。それを見たとたん、はいつくばって骨壺を抱いて「パパ、パパ」と叫んで泣き、取り出した骨に頬ずりをした。その帰り、落ちてきた花びらに誘われて立ち止まり、寺の参道に1本だけある桜を見上げた。今までは、下を向いて足早に通り過ぎたていたから、気に留めていなかった。空からこぼれ落ちんばかりに咲く桜の花は、さっき見た父親の骨と同じ色をしていたが、確かな生気があった。なぜか父親の死を受け入れられた気がした。逝って34回目の春だった。